オレオレ詐欺

オレオレ詐欺

いわゆるオレオレ詐欺をしっかり解析。その「オレオレ」って言葉もキャッチー過ぎて、誰でも簡単に手を染めてしまう感が否めない。まるで、脱法ドラッグをハーブだなんて唱え、全く成分が明かされてもいなく、明らかにカラダに悪いのにもかかわらず、若い世代にポップなイメージや気軽にカンタンさを売りにしているようでコワい。

展開

当初は詐欺を行う犯人が「オレオレ」と言って専ら1人で子や孫を演じていたが、後に「債務者」であると装って困窮を訴えるのに加えて「債権者」役の人も電話口に出て「至急返済がなされなければ酷い目に遭わせる」と脅迫する手口も使われるようになった。一方で、演じる対象を通勤に出た夫をはじめとする家族や親類に拡げて「交通事故」「痴漢」「横領」「傷害事件」「暴行事件」「借金返済」などの加害者や債務者に仕立てる手口も使われる。最初に電話を架けた際には金銭問題を直接的に話題にしなかったり、考える時間的余裕を与えないように数分ごとに電話をかけたりする等で台本を巧みに作成した上で犯行が行われたり、危害を受けた被害者やその関係者、駅員、警察官、弁護士等の役割分担を行って多人数で演技を行い、更には背景にサイレン等の効果音を流すなどの演出も行われた(劇団型犯罪)。

事前に若しくはやり取りの過程で巧みに個人情報を入手し、「オレオレ」ではなく個人名を名乗るケースも増え、相手の職業等に応じたシチュエーションを演出する事も行われる様になった。例えば、教員が教え子に淫らな行為や暴力行為をはたらいて示談金や治療費が必要として家族に振り込ませる、医師が医療ミスを起こして示談金や慰謝料が必要として家族に振り込ませる、等。

また、本物の親類へ確認をとる連絡を妨害するために、詐欺をしかける相手の家族の電話番号まで調べ上げて、予めその親類へ電話して話を長引かせて「話し中」としたり、いたずら電話を何回もかけて携帯電話の電源を切らせるなどの手法もとられた。

初期には単独犯や数人での荒っぽい犯行であったものが、徐々に大がかりな組織によってシステム化された犯行となり、対象者の名簿(カモリスト)が存在する事例[脚注 1]や組織内でマニュアルを作成したり訓練を行っているとの事例も伝えられる。また、暴力団との繋がりを指摘したり、詐取した金が暴力団の資金源になっている、とする報道もある。配下の組員から振り込め詐欺で詐取した金が上納されて資金源になっていたとして、2014年6月10日に指定暴力団の極東会本部への家宅捜索が行われたこともある。

単に「オレオレ」と名乗って詐取する手法から派生して千差万別の手口が用いられる様になったことから、2004年12月9日に、警察庁によって統一名称として「振り込め詐欺」と呼ぶことが決定された。


手口

成りすまし詐欺
「俺だよ、オレオレ」「わたし、わたし」「お母さん……」「久しぶりだけど、覚えてるかな?」などとを装った電話をかけ、「交通事故や医療事故を起こして示談金が要る」、「タクシーやバスに会社の小切手や預金通帳の入ったカバンを置き忘れてしまった。お金を貸して欲しい」などの虚偽の急用を訴えて現金を預金口座等に振り込ませるなどの方法によりだまし取る手口。縁者を装うだけでなく、警察官、弁護士、交通事故被害者、性犯罪被害者、暴力団関係者を装う手口もある。
架空請求詐欺
有料サイトの利用料金などの架空の事実を口実とした料金を請求する文書等を送付するなどして、現金を預金口座等に振り込ませるなどの方法によりだまし取る手口。
融資保証金詐欺
実際には融資しないにも関わらず、融資する旨の文書等を送付するなどして、融資を申し込んできた者に対し、保証金等を名目に現金を預金口座等に振り込ませるなどの方法によりだまし取る手口。
還付金詐欺
税務署や区役所等を名乗り「税金や医療費等を返還します」「今日が手続きの締め切りです」「ATMで手続きができます」等とATMに行かせ、携帯電話で還付手続きを指示するふりをし、実は犯人の口座にお金振り込む手続きをさせるなどの方法によりだまし取る手口。

自分の実家に?もやは他人事ではない

電話でかける詐欺の場合は、時間帯は平日の午前10時頃又は午後2時頃が多い。これは電話に出る人間が一人である場合が多い時間帯であることと、金融機関で振込み可能な時間に合わせている。かつては金融機関で振込みを締め切る時間である午後3時の少し前に不安を煽りたてて早く振込みをさせるために平日の午後2時半頃が特に多かった。

「振り込め詐欺」という言葉が定着するにつれて、振込み型の詐欺は減少したものの、指定場所へ送付させる・宅配便や郵便で送付させる・バイク便業者や代理人が被害者の自宅近くに受け取りに現れて手渡しをさせるなど多様化している。また、だまし取る対象も現金に限定されず、カード(キャッシュカードやクレジットカード)を送付させたり手渡しをさせるなどし、巧みな話術や手法でカードの暗証番号を聞き出した上でカードを現金に換える手法も登場している。

詐欺グループ内ではそれぞれ役割分担について、金を要求する電話を掛けて騙す役の人間を「掛け子(架け子)」、振り込ませた金融口座から引き出す役の人間を「出し子」、金融口座を使わずに直接接触して現金を受け取る役の人間を「受け子」などの俗称で呼ばれている。「架け子」がきちんと電話をしているかを管理する「番頭」、「出し子」や「受け子」には金銭を持って逃亡するのを防止するための「見張り役」がいることがある。現金受け取り現場を担う「出し子」や「受け子」の「リクルーター」がいることがある。また、架空名義のレンタル携帯電話や金融機関の架空口座などを提供する「道具屋」、マンション等の犯行拠点を準備する「代行屋」、だましの電話をかけるための名簿等を準備する「名簿屋」など犯行を手助けする組織と連携したり傘下にあったりする。これらのように役割が細分化されている一方で、厳しいノルマやペナルティによってシステム化されているため、振り込め詐欺グループは会社組織のようだと形容されることもある。このような細分化及びメンバー間を偽名で呼び合うなどしているため、事件の全体像を知らない末端のメンバーである「出し子」や「受け子」を逮捕しても、犯行グループの上層部や主犯格の摘発をしにくいという性格を持ってくる。

アルバイト感覚で「出し子」や「受け子」として犯行に加担する者もおり、「出し子」や「受け子」の低年齢化が指摘されている。14歳中学男子や中学3年女子が「受け子」として逮捕された事例もあり、中には中学2年男子が責任無能力者である13歳時の犯行で補導された事例もある。