オレオレ詐欺

オレオレ詐欺による被害

被害を数字で具体的に見てゆきましょう。

被害者の特徴

被害者(連絡を受け、直接入金手続きを行った者)は2003年は女性が約7割、60歳以上が全体の約8割。被害世帯の半数以上は、家族構成が65歳以上だけの『高齢者世帯』。2004年以降は、主婦の被害が急激に増えている。共通する特徴として、あまり働いておらず自分自身で生活を支えるほどの賃金を得ていない者が大多数を占めていることが挙げられる。被害が多い地域では加害者、被害者、被害金額とも関東(最も多いのが東京都)であり、東京、千葉、神奈川、埼玉の1都3県で半数超、被害額の8割が首都圏で引き出されている。

成りすまし詐欺の被害が少ない地域は大阪府である。理由として、世話好きな性格から困窮を装う電話にはことさら詳細な説明を求めようとする大阪人が多く、振り込め詐欺グループにとっては長電話になるうちに話の辻褄が合わなくなることを避けようとするためとされる。ただし、お金の払い戻しを受ける還付金詐欺には弱く、2013年には還付金詐欺の年間ワースト1位は大阪府になっている。検挙率は極めて低く、2004年度の検挙率はわずか5.2%にとどまっている。その後、対策本部の設置などにより幾分検挙率は上がったが、それでも2006年度の検挙率は16.0%にとどまっている。


対策

振り込め詐欺の容疑者相手に対し販売目的で作った他人名義の口座(架空口座)の作成や取引を禁じる本人確認法や犯罪収益移転防止法やプリペイド式携帯電話販売時の身元確認を厳しくしたり譲渡を禁ずる携帯電話不正利用防止法が制定された。その他に、振り込んでから詐欺と気付いて口座の利用停止を求めた場合、従来は口座名義人に不便を強いる訳には行かないとして金融機関が口座利用停止処置を拒み、振り込んだお金が下ろされていくのを指をくわえて見守るしかなかったが、次第に口座利用停止や強制解約の要請に応じるようになり、残った預金から返還を受けられる例も増えている。警視庁としては2004年度、全国に先駆けて副総監を本部長とする対策本部を設置。その後、道府県警本部もこれに倣い対策本部を設置し専門の捜査班、技術班を成し公式ウェブサイト上でも広く市民へ対策を呼びかけている。2007年12月14日に振り込め詐欺等の犯人の口座を凍結して、被害金を被害者に返還する法律として、振り込め詐欺救済法が成立。同月21日に公布、2008年6月21日に施行された。

もっぱら振り込まないようにしようと警告することが多いが、”振り込まれた側”については対策がほとんどできていない現状があった。後で振り込め詐欺であったことに気づいても、口座から返金を求めることがほぼ不可能であり、名義人の個人情報の開示、および口座の停止または強制的な解約ができない問題があった。”振り込まれた側”に関する情報をほとんど引き出せない問題を防ぐため、預金保険機構のウェブサイト内にある「振り込め詐欺救済法に基づく公告」にて、振り込め詐欺で利用された(または可能性のある)口座の一覧が公開され、振り込み前に口座を確認できるようになった。

2013年3月に東京都では電話会話自動的録音器を、被害に遭いやすい高齢者を中心に1人5千世帯に無料で貸し出す取り組みが行われている。日本郵便は詐欺において現金書留ではない郵便で現金を送らせる違法な手法について、憲法の通信の秘密の規定から中身の確認を控えていたが、この手法による詐欺が急増している問題に鑑み、過去に詐欺に使われた住所と照合し、X線検査で現金の封入が確認されれば警察に通報する対策を2014年7月から取ることを発表した。

防犯

その1
家族と会って話し合って、前もって「電話での呼び掛け方」や「合言葉」を決めておき、「電話で『お金を貸して』などと頼んだりしない」ことを話しておく。合言葉は警察では「家族や身近な親戚しか知らない事実」「慌てていても簡単に思い出せること」「絶対に忘れない言葉」「学校名簿、会員名簿等に公開していない事実」が望ましいとしている。例として「旅行の思い出」「好物、嫌いな食べ物」などをあげている。
その2
離れて暮らしている家族と普段から連絡頻度、共有する情報、信頼関係を高めておく。
その3
本人の携帯電話番号や勤務先の電話番号、友人の連絡先などを把握しておき、いつでも確実に連絡が取れるようにしておく。
その4
(特に高齢者は)常に留守番電話にセットし、電話がかかってきても電話に出ずに留守番電話で受け、相手に録音されている留守番電話で話をさせ、合言葉で確認できたら電話を取る。
その5
「携帯電話の番号が変わった」「携帯電話を無くした」「(友達、同僚、上司、知り合い、会社の携帯電話または固定電話)別の電話を使っている」という電話には一度切って、元の電話番号にかけ直す。
その6
ナンバーディスプレイ機能を活用する。
その7
ATM利用限度額を引き下げる。可能であれば、クレジットカードのキャッシング枠を0円に設定しておきましょう。銀行、クレジットカード会社、警察、裁判所を名乗ってカードの暗証番号やインターネットバンキングの契約番号・パスワードを聞き出そうとすることに警戒する。警察や裁判所を名乗って個人情報を聞き出そうとすることに警戒するのと、警察や裁判所が電話で個人情報を聞き出す事はないことを常に意識しておく。警察が自宅訪問やATMコーナーで預金通帳やキャッシュカード、クレジットカード、現金、預金証書、印鑑、払い戻し請求書、本人確認書類を預かったり、調査することはないことを常に意識しておく。警察や裁判所を名乗る電話があった場合は相手の名前や電話番号を名乗らせた上で、一旦電話を切り、番号案内などで電話番号を調べる事を推奨する。

実例

世界一だよ、日本

1人の人間が被った振り込め詐欺被害の過去最高総額は、2011年に6月から12月まで岩手県の70代の男性が金融商品の購入立替を名目に、10数回にわたって指定された金融機関の口座に振り込み続けた事件で被害総額は4億数千万円である。1人の人間が被った振り込め詐欺被害で逮捕された過去最高総額は、2013年11月から12月まで現金受け取り役の千葉県船橋市の19歳無職少年が東京都板橋区の72歳女性から製薬会社社債購入やインサイダー取引もみ消し名目で8回にわたって現金を詐取した容疑で2014年3月に逮捕された事件で被害総額は計2億円である。警察が振り込め詐欺グループの人間を一斉逮捕した際に最も人数が多かった例として、2013年7月10日に34人を一斉に逮捕した例がある。警察が一詐欺グループが犯した被害金額としては過去最高総額と見ているのは約370人から30億円以上の入金があった例である。この詐欺グループは警察の捜査で2012年5月24日に28人を一斉に逮捕され、逃亡した詐欺グループの首謀者も2012年11月19日に逮捕された。

日本国外もある?

中国では2008年の2ヶ月間の間に2億8千万円もの被害が出たと報告された。2009年6月には中国公安省が、1年間のあいだに電話やメールを使った振り込め詐欺2万8,000件を摘発、容疑者7,000人の拘束を明らかにした。韓国では「電話詐欺」もしくは「ボイスフィッシング(voice phishing)」と呼ばれている。近年その手口が巧妙化しており、新型インフルエンザを装う振り込め詐欺が発生したとして韓国政府が国民に向け注意を促した。2009年5月には、ブルネイ国王ハサナル・ボルキアがインドネシアの選挙に絡んだ振り込め詐欺に遭い、200億ルピア(約2億円)をだまし取られた。アメリカ合衆国では、高齢者を狙うケースだけでなく、偽の慈善団体をかたって振込みを要求する詐欺や、嘘の賞金当せんを知らせて手数料を振り込ませる詐欺なども発生している。アメリカでは、詐欺犯が高齢者の孫を装うことから、孫詐欺と呼ばれている。投資に誘う詐欺も多く、アメリカの65歳以上の高齢者の5人に1人が投資詐欺に遭っているとの調査もある。